厄介な好奇心
アジト
 何だかワダチが凄いな。これは繰り返し演習を行った結果だろう。 

「おい。この先で確定だ。お前、車に戻って山の下まで移動させておいてくれ」

 車を移動させるって、それはおっちゃんが一人でアジトに行くって意味じゃないか。ここまで来てそれは無いよって言いたいところだが、僕にとってはそのほうが好都合。更に、おっちゃんが奴らを全滅させれば願ったり叶ったりで僕はこの先安泰になる。

「分かった。車は任せといて」

 走る走る。これほど真面目に走ったのは小学校以来では無いかというほど走った。 


 板壁の門・・・・

 不意に現われた人口の門。それが意味することは一つしか無いはずだ。俺は、林の中に入り、門から中の状況を確認することにした。 

「なるほどな・・・・」

 木造の平屋を取り囲むように残された大きな木々たちが屋根にかぶさるように鬱蒼と茂り、これでは空からもこの建物に気付く人間なんか誰も居ないだろう。まさしく、秘密のアジトだよな。
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