瞳の向こうへ
「いいなあ、葵は?全部終わったんだよね?」

「数学は?」

「学校にいたから楽でした」

「真面目だねえ」

唯がため息混じりにテレビを観た。

「甲子園で応援するの初めてだからワクワクする」

「吹奏楽部は気合い入りまくってるよね」

「あ〜ん、唯さ〜ん。またわかんな〜い」

「もう!少しは自分で考えることを覚えなさい」

「だって……」

「だってじゃない!はい!考えろ〜考えろ〜」

何かの暗示かと思わず唯たちを見てそう思った。

なかなかのスパルタ姉さんぶりを発揮してますなあ。

あらためて組み合わせ抽選の模様を。

常連校は風格が違うね。

初出場校は場慣れしてないせいかキョロキョロして落ち着いてない。

久しぶりのところはみんな笑顔。

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