瞳の向こうへ
一瞬、水を打ったような静けさの後、今までで一番大きい雷が。


思わず耳を塞ぐ。


「葵、OKしてくれるよね?」


「唯、これは生徒会の役目だと思うけど」


「弟クンから聞いてるでしょ?」


「転校生しか聞いてーーキャッ!!」


雷が鳴りやまない。


窓がガタガタ揺れてる。


「時間ないから言うけど、その転校生と会話出来る方法は手話しかないの」


「ふ〜ん、手話……。え!!手話!!」


「もう分かると思うけど、この学校には部活に手話はあるけど、みんなまだまだみたいだし、先生たちも今覚えてる最中で、一応、カウンセリング室の潤子先生がそれなりに出来るけど、あなたに比べればね」


唯は帰宅部のはずなのにこの手の情報収集はさすがだ。


「私に出来るかなあ?」


「全国高校生手話発表大会優秀賞のあなたが、朝からオトボケはよしてください」


唯が軽くイラッとしたところでチャイムが鳴った。


「あたしの話はこれで終わり。仕切りは任せなさい」


鼻歌を口ずさむ唯の背後に私はついていった。


全校生徒の前で二人で手話の応酬とは。


朝から睡魔が増さないでねみんな。


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