瞳の向こうへ
リビングで廉と決勝戦を観戦した。

エースナンバーを背負って甲子園最後の試合に臨む。

「何か聞いてる?」

「お姉は何も聞いてないの?」

「聞いてない」

「野球の話メールでしても返信してこないし。調子はいいんじゃね?」

残念だけど、素人の意見には耳を傾けないのでちょっと心配。

私の不安が解消されないまま試合が始まった。

「よし!」

「お〜、ナイスピッチング!!」

いまのところ私の不安を打ち消すかのような完璧なピッチング。

去年よりコントロールが安定してます。

「これは勝つな!」

廉の確信にはついていかないけど、この調子なら……。

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