不幸体質恋愛?!
後ろから、声がした。
振り返ると、男の人が手を差し出していて…。
「あっありがとうございます!」
その手をつかんでよいしょと立ち上がる。
「また転んでる」
笑った口調でその人が言った。
…また?
この人、会ったことあったっけ…。
あたしが不思議そうな顔をすると、男の人は、
「あれ?覚えてない?この間、旧校舎の屋上の階段でも転んでたでしょ?」
屋上…旧校舎………。
「あ!!あの時の!2度もありがとうございます!」
お礼を頭を下げて言うと、男の人はふっと笑って手をひらひらとさせた。
「いいよいいよ。んで、これ、職員室に運ぶの?」
「はい、でも転んでしまって…」
言うと同時にあたしはノートをかき集める。
すると、
「はい」
いつの間にか散らばったプリントが集められ、男の人から差し出される。
「あわ!ありがとうございます!すいません手伝ってもらっちゃって…」
「俺が持って行こうか?職員室」
男の人はそう言ってくれたけど、あたしは自分でやると言ったことは最後まで自分でやりたかったので断った。
「いえ、すぐそこなので大丈夫です!ありがとうございました!」
もう一度深くお礼を言って、そこから立ち去ろうとすると、腕を掴まれ、ぐいっと男の人のそばに引き寄せられた。
またバランスを崩してノートを落としそうになったけど、ギリギリ落ちなかった。
「あっあの…」
戸惑うあたしの耳元で、さっきよりも低くなった声が囁く。
「1年D組、桐ヶ谷帝。
俺の名前。
覚えておいて」