身勝手な恋情【完結】

どうして?

やっぱり泊まってくれるってこと?



「蓮さっ……」

「忘れ物」



ベッドから降りようとした私を制して、蓮さんは上半身をかがめてくる。



「あ……そうなんですか……でも、忘れ物なんてありましたっけ?」



周囲に目線をやる私の前髪がふわっとかきあげられた。



「ひゃっ……!」



咄嗟のことに驚いて目を閉じると、おでこに柔らかいものが押し付けられる。



「え……っ」



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