身勝手な恋情【完結】

支払いを済ませると同時に、

「もしよかったら」

と、一枚のカードを渡された。


「なんですか?」

「うちでもクリスマスパーティーするからね。友達でも彼氏でも、よかったら遊びに来てね」

「――ありがとうございます。もしかしたら一人で来るかも」



笑おうと思ったけれど笑えなくて。

草介さんが一瞬目をぱちぱちさせたのに気付いて、会釈をしてドアを押した。



「――わかってる……ああ……すまない」



ドアを開けたすぐそこで、立花さんが穏やかに携帯で話をしている。


電話の向こうは女性のようだ。

何を言っているかわからないけれど、立花さんの口調からすると何かを責めているみたいだけど――


「会いたくないわけないだろう? 愛してるよ」

「――!!!!」


彼のなだめるようにささやく声は限りなく甘い。



あ、愛してる!!!!!



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