身勝手な恋情【完結】

「俺がここにいたいからいいの」

「え……」

「なんていうか、ひよさんって構いたくなる感じがこう……長男体質にはたまらないというか」

「長男体質……?」

「ひよさん、妹でしょ」

「はい、兄と姉がいます」

「やっぱりね」



うんうん、とうなずく草介さん。



「俺は上に姉と、下に弟と妹がいるんだ」

「そうなんですかぁ……あ、でもぴったりかも。お兄さんって感じです」



お兄さん体質っていえば、そういえば祐さんは兄弟いそうだなぁ……。

同い年の蓮さんですら面倒見てるもん。



「草介さんらしいです」



にっこりと笑いかけると、彼は一瞬目を丸くして、ぱちぱちをまばたきをする。



「あー……あのね。前から言おうと思ってたんだけど、よかったら敬語やめて普通に話さない?」




< 298 / 469 >

この作品をシェア

pagetop