身勝手な恋情【完結】

そしてそのまま穏やかな気持ちで眠ったはずなのに――

彼の腕の中で何度も目が覚めた。


気持ちが高ぶっていたのかもしれない。

蓮さんとまたこうやって愛し合えたことが夢みたいで、不安になったのかもしれなない。


だけどいつ目を覚ましても、蓮さんはじっと私を見つめていた。

大きな手のひらで私の髪を撫で、頬に手を置き、まぶたの下を親指で慰めるように撫でる。



「これからはずっと、起きても、傍にいてくれる……?」

「大丈夫だよ。俺はここにいる。おまえが幸せそうに眠っている姿を見るだけで、苦しいくらい幸せなんだ」



蓮さんは眩しそうに眼を細め、そして私のまぶたにキスをする。



「ゆっくりおやすみ。愛してるよ……」






End...



< 468 / 469 >

この作品をシェア

pagetop