身勝手な恋情【完結】

「どうして泣くわけ……」



蓮さんの指が私の頬の上をなぞる。



「えっ、あ、その……ちが、その、これはっ……」



どうしよう。

またウザいって思われてしまう!


ゴシゴシと手の甲で涙をぬぐうと、その手をつかまれて膝の上に置かれた。



「――ひよ」



蓮さんが丁寧に私の名前を呼ぶ。



「体だけじゃなくて、俺の心が欲しい?」


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