もう一度
あれをそれ以外にどう表現できようか

片や黒崎病院の跡取り息子

片やアメリカを本拠地に置く美人女医

どうしたってそこに自分が入れようか

「私に言わせればさ、しるふと黒崎先生の方がお似合い」

「え、なんで」

口をつく疑問は、心から

「なんでって、なんか見ててしっくりくるもの。取ってつけたような無理やりはめ込もうとしたような感じがなくてさ」

自然とそこに収まって、けれどすごく調和がとれている感じ

「それに黒崎先生から呼ぶのってしるふだけだしね」

「そう、なの」

気づいてないのか、この子は

「そうだよ。一度だって芳川先生について来いなんて言ったところ見たことないもん」

「…そう、なのかな」

飯田に注いでいた視線を再び、海斗と芳川に向ける

「そうよ。黒崎先生の隣は、立花先生しか許されない」

これ、黒崎病院共通認識

さすが黒崎海斗のお気に入りと評されるだけは、ある
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