もう一度
横を見ると眠りこける彼がいる

規則正しく上下している肩は、この腕をどけても起きたりはしないだろうか

「…黒崎先生」

じゃなかった

「……かいと」

そっと口に出した下の名前

反応は、ない

「…海斗」

もう一度心持大きな声で

それでも反応は、ない

よし

意を決して力の抜けた腕を持ち上げる

無事に抜け出した布団を、かけ直してあげるとゆっくりと規則正しく上下しているのがわかる

そっと触れた腕は、温かい

海斗の眠りが深いことを確認して、気づかれないように

頬に唇を寄せた

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