好きなんだ…。

「どうしようか…。これじゃ歩けないよね」

冬斗がどうするか悩んでいると

秋斗はハァとタメ息をついたあとに静かに蕾の前
に来て、腰をおとした。

「え…?」

「俺が学校までおんぶしてやっから、早く乗れ
。」

そう言うと早くというように背中に回した手を
動かした。

「うん…」

少し顔を赤くしながら秋斗の背中へと乗った。

「よし、帰るぞ。冬斗、俺の荷物持っていって
くれ。」

「分かった。」

そう言うと、秋斗の荷物を受け取った。



保健室

「はい。これでいいわよ。」

「ありがとうございます。」

蕾の手当てが終わった。

「でも、すごいわね。秋斗…くんだっけ?
20キロを尾形さんをおんぶしてここまで来る
なんて頑張ったわね。」

冬斗が笑っているなか、その隣のベットでもの
すごく息切れしながら倒れこんでいる秋斗がい
た。

「が…が…頑張りましゅた…。」

と小さな声で言った。

「フフッ、ゆっくり休んでいくといいわ。」

「い…いい。もう…帰…るんで…。」

そう言うと秋斗は起き上がり立ってフラフラしなが
ら歩き出した。

「じゃあ、僕らも帰ります。」

「分かったわ。気をつけてね。」



「なんか、ゴメンね。私のせいで…。」

蕾が落ちこんだ様子でそう言った。

「別にいいさ…。」

秋斗は疲れすぎたせいか眠そうな顔になってい
た。

「この様子じゃ、家に帰ったらすぐ寝るな…」

冬斗が笑いながら、蕾に耳うちした。

その言葉で蕾は笑顔になった。


「じゃあ、また明日」

冬斗が蕾に手を振りながらそう言った。

「うん、明日!」

蕾も手を振った。



「ただいま~」

「…ただいま」

「兄さん、ちゃんとお風呂入って寝てよ。」

「もぅ無理…限界だ…」

「じゃあ、兄さん僕と一緒に入る?」

冬斗はからかうようにそう言っただけなのに

「……あぁ」

「えっ…!?」

冬斗は思わぬ返事が返ってきたので唖然とした


そして…

「兄さん!えっ、ちょっ、何やって…!」

「あぁ…?別に何もやってねぇー…よ…」

「寝ぼけないでよ……兄さーーーん!!!」

お風呂で何があったのか

知るのは冬斗だけです…。


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