あの頃より きっと。
「普通にカッコイイよね」





麻紀は卵焼きを口に入れて頷きながら言った。





「でしょー?それで私ね、この前目合ったんだけど、すぐ逸らされちゃって!でもこれに、それは好きだから!照れてるから逸らしたのかも?って書いてあったからさぁ!もう最高だよねぇー!」





美優が雑誌を叩きながらニコニコと話す。

本当に、美優は可愛い。恋をした美優はもっと可愛い。

すると、美優を見ながら麻紀が高速で瞬きをした。





「…なんか脳内パラダイスだね」





「あはは!美優言われてるけど!」





彩穂が笑うと、美優がわざと拗ねて言った。





「いいもん!パラダイスだもん!」





弁当を食べ終えた麻紀が、袋に弁当箱をしまいながら彩穂の目を見た。

そして、口の端を上げた。
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