あの頃より きっと。
「ごめ…」





風磨がまた女子生徒に駆け寄っていこうとすると、彩穂が呼び止めた。





「あのさぁ!」





その声に、また風磨は彩穂を振り返った。

その表情は、とても風磨らしい表情だった。

いつも自分を見るときの、その目。

焼きついて離れないような視線が、彩穂の胸を熱くした。
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