あの頃より きっと。


風磨が急いで顔を上げると、そこには玲奈が唇を噛んで無理に笑っている姿があった。





「応援、行くんでしょ?」





玲奈の目から零れた雫が、風磨の靴を濡らした。

その時、風磨の奥底から何かがこみ上げた。

自分はずっと、何にためらいを感じていたんだろう。

そう考えたとき、思い当たったのはたった一つだった。


< 417 / 477 >

この作品をシェア

pagetop