あの頃より きっと。

唐突



靴箱に到着した麻紀と美優は、靴を履きかえていた。

2人はこれから、有名なアイスクリーム屋に行くことにした。

アイスクリームが大好きな美優が、歌っていた鼻歌を止めて麻紀の耳元で囁いた。





「ここで待ってたら、坂岡くん来ないかな?」





麻紀が後ろを振り返ったが、悠心が来る気配はなかった。





「ってかさ、ホントに坂岡くんのこと好きなの?」





美優はつま先を床に打ち付けて靴を履いた。

そして麻紀を振り返ると、照れたように肩に首を擦りつける。





「好きっ」





「そっか、うまくいくといいね」





麻紀が靴を履こうと床に置いたとき、美優が麻紀の背後を見て口元を押さえた。
< 53 / 477 >

この作品をシェア

pagetop