あの頃より きっと。
「…たまにならいいけど」






風磨はそれだけ言ってポケットに手を入れると、再び歩き出した。





「ホントにっ!やったー!風磨ぁー!」





彩穂は風磨の背中を追って走って行く。





「ああ?たまにだからな、たまに!」





風磨が振り返ることなくそう言ったのを聞いて、彩穂は嬉しくて仕方なかった。

それ、遠まわしにいいってことじゃん、風磨?

風磨の背中に思いっきり突撃すると、
風磨は「いてっ」と言いながら走り出した。





彩穂も、走り出した。
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