敏腕美人秘書のみゆきさん ■

斉藤君はしゅーーんとうなだれて
手元の書類に目を伏せる。

やだ。
そんな表情されたら

ちょっと罪悪感ーーーー。


「斉藤君。
 あーーー…えーーっと…」

「??
 なんでしょう深雪さん。」

「私ね。
 あんまり遠回りなのって嫌いだし
 よくわからないんだけどーーー

 斉藤君って、私に気があるわけ??」

「!!!」

今度は顔を真っ赤にして
大きな瞳を丸くして
絶句した。


あーー。どうやら私の自意識過剰ではなかったみたい。

「あの…そのっ。

 ・・・・は…い。
 深雪さんは素敵な方だなと思いますーーー」

真っ赤な顔を隠すように
一度私を見つめてから
視線をそらす。

「あのね、斉藤君ーーー」

「深雪さんっ!!

 あのっ。
 勝手に深雪さんを好きなだけですから
 その…仕事に支障をきたすような事はありませんから…」

斉藤君は私の言葉を遮って
まっすぐに私を見つめて言葉をくれた。

「好きでいさせてくださいーーーー」

 
 
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