敏腕美人秘書のみゆきさん ■

「いやぁ。会社の人っていうか」

ちょっと困ったように
拓也は
言葉を濁す。

拓也が言葉を濁すって、珍しいな。
いつもは
聞かなくても、
べらべらしゃべるのに。



俺は、
とりあえず、
酒を追加しようと、
店員を呼ぶ



と、
その時、

ぶーーぶーーと

聞きなれたバイブ音が着信をつげた。


誰からだ??







「すいません。

 ウーロン茶ください。」


俺は、
柄にもなく、
ウーロン茶を追加して、
その電話に出た。



「お疲れ様です。
 斉藤です。」


隣では
拓也が
ニヤニヤと笑っているが、
俺は、
ソレを無視して
冷静さを装う。


着信相手は
『深雪さん』だ。





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