ありえへん!!



「要く~ん」


この猫なで声は


「俺、忙しい」


俺の肩をバンバン叩いて


「まだ何にも言ってないわよ」


「姉さんのその甘ったるい声聞いたらろくなことはないと分かってる。俺、姉さ ん防御反応装置着いてるから」


「あら、何処に?見せてごらんなさいよ」


「わ~よせ!男の上着に手を掛けるなんざセクハラだ」


「何処がセクハラよ」


パンパン!


課長の片平さんに


「はい、お前等、まだ仕事中だって分かってっか」


ホントに呆れたと言うような顔で俺達の言い合いの仲裁に。


「課長、高山に言って下さいよ、ちゃんと仕事しろって」


「あら失礼ね。私はちゃんと仕事してるわよ、誰かさんと違って」


「誰かさんって誰だよ」


「さぁ~自分で気づかないトンチキのことじゃない?」


「あ~?誰がトンチキだって」


「あら要君だって言ってないわよ」


「だから『要君』って呼ぶな」


「あら山科要君でしょう?違った」


パンパン!


再び課長が手を叩き


「いい加減にしろ。じゃれあいは仕事終わってから」


課長が姉さんを引きずり席に座らせた。


この部屋にいる連中はみんなクスクス笑っている。


ま、俺と姉さんの喧嘩ってかじゃれあいはいつものことでみんな息抜きだと思っ ている。





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