アシタのナミダ
「だったらアナタには彼の声が聞こえるの? 栄川は解剖に立ち合ってまでアナタの罪を軽くしようとしたのよ。彼の最後の声を知ろうとしたの」





トキオの最後の声―――




「………聞こえたんですか?」





「―――聞こえたそうよ。彼がアナタは殺していないと訴えたの。だから、アナタまで死んではいけない」





私にはもう、聞こえないよ。





「月極先生?」




どうして?





「私にも聞こえますか?」





聞きたいと思えば思うほど、聞こえなくなる。





「―――トキオの声」





エゴだよね。






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