明るい光のその先に
第五章【伐採】
嘘だ嘘だこんなことって…

「あ"え"え"!!!」
(やめて!)
私は木の前に立つ

「お嬢ちゃんどいて!あぶないよ!」
伐採しようとしているおじさんの声は
耳に入らない

「あ"え"え"!!!!」
必死に叫ぶ
喋れなくても叫ぶ

「やめてくれませんか…?
伐採してしまうの」
「…!!」

蓮先生が頭を下げる

「兄貴の思い出の木なんです
切らないでください!」
「蓮先生…
でも、この桜の木咲かないし」
〈明ちゃん…聞こえる?明ちゃん…〉
(桜の木…美桜…?)
〈僕が咲けない理由を教えてあげる…〉
私はホワイトボードに文字を書く
「明?」
「お嬢ちゃん誰と喋っているんだ?」

桜の木が咲けない理由…それは
この学校が荒れているから
いじめを見て見ぬ振りをして助けない

桜の木はみんなの明るい声で
咲くことができていた…
だけど…今学校から聞こえてくるのは

叫び声や怒鳴り声
蹴られてる音や叩く音…

元気な声は少なくて
桜の木も元気がでないと言う
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