明るい光のその先に
それから幾月

「ママ!パパ起きない!」
「桜ー!じゃあ、顔洗って来なさいー!」
「はーい!」
「蓮…れーん起きて!」
「ん?起きてるぞ?」

そう言って蓮は私をベッドに引きずり込む
その様子を息子のさくらが見ている
「ちょっ…蓮ー!」
「ん?」
「桜が見てる!」
「自慢の息子だ、見せてやれ」
「馬鹿!」

私は、たくさんの木を見て回って治して行っている
リングがなくても、木の声が聞こえるのだ
あの咲かない桜の木はもう、満開で咲かない春はない
「桜…おいで」
「うん!」
「幼稚園に遅れちゃうし、蓮も学校でしょ!」
「「すこしだけ!」」
「もう…」

ママ…パパ…光…
私はすっごく幸せだよ!
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