【 腐りかけのteenager  】
私達はお金の事を考えて、式場の安い場所を探した。

だが、結婚式というものはやたらとお金がかかる。

結局は300万円くらいは必要になってくる。

ご祝儀で殆どは帰ってくると言われているが、実際は式当日にならないと分からない。

そのうえ、健二さんのお母さんは車椅子での出席になる。

長時間の式は体に大きな負担になるし、家から遠い式場だと移動距離も負担になってくる。

結局、私達は地味に身内だけでしようと言う事で納得した。

結婚というものはこんなに楽しい事なのかと言うくらい、その日が待ち遠しかった。

「結婚式に婚姻届提出。それに新婚旅行でしょぉ~・・・あっ!結婚指輪も買わなくちゃ!」

私は厚い結婚情報誌を抱え、ニコニコしながら健二さんに話しかけた。

「そうだねー。」

健二さんは優しい眼差しで私を見ながら、ニコッと笑ってくれる。

健二さんの頬にうっすら浮かぶエクボがまた可愛い。

これから私達に繰り広げられる数々の催し物に、私は胸を踊らされていた。
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