ひきだしから、男子!
なんなの。
途方にくれている
と、布団でも叩くよ
うな強さで背中を叩
かれた。牡丹は首を
縮めて振り返る。
「あんな女に負けち
ゃダメだからね」
「は?」
「あたしが好きなん
だから手ぇ出さない
でって言われてたじ
ゃん、今」
透が、山永の去って
いったほうをねめつ
ける。
「……そういうこと
だったの?」
「応援してるんだか
らね、頑張りなよ」
べっつに好きじゃ
ないんだけどなぁ、
畑山君のこと、なん
か。
牡丹は肺にたまっ
た憂鬱な気持ちを吐
き出した。