ひきだしから、男子!
頬を紅潮させて、に
らむ。
「ほら」
Bに思いっきり背中
を押され、牡丹はど
んっと何かにぶつか
った。
それは人間だったよ
うで、どうやら押し
倒してしまった。
サングラスがアスフ
ァルトで跳ねる。マ
スクが宙を舞い、雑
誌が散らばる。
牡丹は謝罪しながら
体をどけて唇をひく
りとさせた。道路を
走る車のライトが、
うめきながら起きあ
がる男の顔を撫でて
いく。
「畑山君」
名前を呼ばれた彼
は、びくっと肩を震
わせた。
緊張した面持ちで彼
女を見あげ、口をあ
けて硬直する。