☆空色の傘☆【完】


ただ、高卒での就職を親に説得するのと、事務所が電車で一時間半近くかかる場所だと言うことがネックで、秋からのアルバイトの話を納得してもらえるか…


まぁ、俺は男だし、体力もある。


進学よりガンガン学びながら働きたいし、きっとたいして反対されないだろう。


でも、蒼は以前の病気の影響から、体力的に往復三時間はさすがにキツい…よな…


でも、俺らの本気を分かって貰わなくちゃ。


二人で学校と事務所の中間位に、暮らす…


ダメだと、相手にしてもらえないだろうか?


いや、やってみなければ分からない。


砕けたくはないが、当たってみなければ先には進まない。


俺と蒼は条件に合う物件を探したり、今ある貯金を計算したり…夜遅くまで話し込んだ。


☆☆☆


「いただきます」


母親が蒼の分も夕飯を作ってくれて、四人でテーブルを囲んだ。


母親も父親も俺達の付き合いについてかなり寛大だし、理解があるし、信頼してくれてるのがよくわかる。


そんな、二人を前に俺と蒼は切り出すべきか、今か?


そわそわしながら上の空で会話をしていた…らしい。


食べ終わり「で?二人は何を話したいのかな?」と父親に聞かれた時は、持っていたコーヒーカップを落としそうになった。


二人して……





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