☆空色の傘☆【完】


「私の病院もちゃんと通います。
家事も分担で、どちらか一人が苦しむ
ことがないように、お互いから
目をそらしません…」


蒼もいつもと違う、真剣な声で懸命に想いを伝える。


「だから、二人暮らし
「認めてくださいっ!!」」


最後は二人で自然と声が揃い、膝につくほど頭を下げた。


無音……


「ふぅ……」


しばらくして父親のため息が聞こえて、ハッと頭を上げた。


父親は寂しそうに微笑んでいた。


「まぁ……私達四人は…
君らを信じているから…」


そう小さく言ってから、両手を顔にし、天井を仰ぐ。


「寂しくなるなぁ……」


「あ、ありがとうっ!!
ありがとう、父さんっ…」


案外あっけなく認められ、信じられない。


「おじさん、おばさんっ、
ありがとうございました…」


蒼の声が喜びで震えてる。


「次は蒼ん家だ…
ぜってぇ、クリアだ、なっ?」


「んっ…絶対、だ、ねっ…!」


「なら…車出すから一緒に
送ろう、で、まずは状況を伝えなさい。」


父親の言葉で9時前、神崎家へ向かう。


☆☆☆


「あらぁ、素敵な話ね、
ねぇ、お父さん♪」


「あぁ、良かったなぁ♪」


明らかに予想と違う反応に、蒼も俺も、当然俺の両親もただ、あっけにとられていた。







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