☆空色の傘☆【完】


周りのざわつきが大きくなったと思ったら、陸也が来ていた。


「隼人~なに俺の妹にチョッカイ
出してんの?前に忠告したよな?」


陸也に凄まれてようやく引き下がる気になったのか、「あぁ~もういいわ…マジしらけた」と1年の教室前から去った。


「陸也さん、ありがとうございます…
しつこくて…」


「おぅ!ま、俺はいっつもこんなんして
蒼を守ってたし。
達馬がさ、教えてくれたんだ
後でサンキューって言っといて
じゃ、」


「はい、ほんと、助かりました
じゃあ…」


ようやくみんなも散って、俺は教室に入る。


三浦さんと隅っこにいた蒼が、ダッシュしてきて、ギュゥっと腰に腕を巻き付けた。


「空っ、怪我とかない?
辛くない?ありがとうね…」


頭をポンポンしながら「大丈夫だよ、陸也さんも助けてくれたし」と安心させる。


「陸?そっかぁ…またかぁ…」


以前にもこんな風にもめたんだろうなぁと、思わせる反応だった。


騒ぎは何とか収まった。


隼人先輩はそれからは蒼に話しかけたりすることはなくなった。


俺も蒼も面倒な人々に好かれてしまって…さらに校内で有名なカップルになっていった。





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