【BL】俺がお前にできること
引っ張ってきた腕を離して
手を繋いだ。
繋いでない方の手は
郁馬の背中をポンポンしてやる。
泣きながら確かに郁馬は言ったんだ。
「俺、すーちゃんにフラれた」
泣きながらだから、何を言ったのか一瞬わからなかったけれど……俺は親友だから、わかってしまった。
ずっとずっと。
泣き止むまで俺は郁馬の手を握っていた。
図体でかいお前が泣いて、華奢な俺が慰めてる光景は回りから見たらおかしいだろう。
でも俺はそれどころじゃなくて……
朝、郁馬が失恋したら嬉しいとかいう感情も
今はどーでもよくて…
