Hurly-Burly 4【完】

ここまで、出来た話だと思った。

こんなに上手く行くわけなかった。

「日和ちゃん?」

だけど、何て言えばいいんだ。

よっちゃんが好きになった女の子なのに、

よっちゃんが傷つくことは目に見えてる。

頑張れと言っておいてあの子はやめた方が

いいよって言わなきゃいけなくなった。

カラオケ部屋に来てまだ1曲も歌ってないあたしたち。

そこに電子機械と別に分厚い本が1冊あった。

それを徐ろに自分の方へ持ってきた。

「ヒヨリン、歌う気になったのか?」

ユウヤ、あたしは一発自分に喝を入れるわ。

鈍い音が部屋中に響き渡った。

その分厚い本を思いっきり自分の頭に叩きつけた。

あたしの頭は意外と丈夫だったらしい。

まだ、そこまでダメージ受けてない。

軽かったかな、よしっ今度は決めてやるわ。

「ヒヨリン、何やってんだよ!!」

ナル君に阻止された。

分厚い本の効果は十分あったらしい。

「・・・痛い。」

「そりゃ、当たり前だろ。お前、脳外科

行った方がいいだろ。いいところ紹介して

やっから行けって。」

無力な自分にこんなに苛立つ。

痛いのは頭何かじゃないよ。

傷つけられるよっちゃんを思うと悲しい。

心臓が痛いというのは心が痛いということなのか?

サユに泣かれた時みたいに胸がきゅっと沁みる。

よっちゃんも泣くのかな。

「ひよこ姫、それが世の中ってもんだろ。

美男もいい経験になったんだからお前が気にする

ことじゃね~だろ。その内、ケロッと忘れちまって」

「伊織君、それ慰めてるのか?」

ケータイをばっちり見られてたみたいだ。

伊織君にはお見通しされたわけだ。

「そんなに簡単なものなのかな?」

あたしには経験がないはず・・だから分からない。

だけど、好きになった人のことをそう簡単に忘れ

られたら好きになってないんじゃないかな。

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