Hurly-Burly 4【完】
ちぃ君が視線を落としてしまったから何か
不味いことで言っちまったのかと焦った。
「ち、ちぃーさん?」
顔の前で手を振ってみるも反応がない。
ど、どうしましょう!?
ちぃ君の逆鱗へと触れたのか!!
そりゃ、参っちまったよね。
「千治さん、起きてますで」
次の言葉はちぃ君に抱きしめられたせいで
言葉に発することが出来なかった。
黒いパーカーを羽織ったちぃ君の懐は
温かくて優しさで溢れてた。
「ムフフっ・・・」
何コレ珍百景に応募していいかな?
こんな綺麗な人に抱きしめられるとか
ある意味珍百景でしょうよ!
「何だよ?」
「ちぃ君、顔見せて?」
「ヤダ。」
「ぐふふっ」
「気味の悪い笑い方は止めてくれ。」
「酷い言い様だなこのシュチュエーション分かってる?」
もう勝手なんだから。
こんな時にマイペース発揮しなくてもいいでしょ?
「お前、カイロになれ。」
「あたしをせめて生き物に昇進させてくれ!」
カイロにするなんてあんまりじゃないか。
全く、ちぃ君らしいと言えばそうなんだけどね。
「ぐ、ぐるじぃ~」
この人、力の加減を知ってますか?
あたしは今にもちぃ君に絞め殺されそうだ。
明日の朝刊には高校生が殺人!?が大きな
反響を呼ぶに違いないよ。
友人を絞め殺した男として世間を騒がしちゃうよ!!
緩まる力にちぃ君を見上げると顔をすぐに
背けられたまま頭をポンポン撫でられた。
「悪い、加減が分からねえや。」
口元を押さえて反省しているであろうちぃ君
を見てるだけで何だか笑えた。