音ノ葉喫茶の恋愛相談。
ちょっぴり寒い秋の夕暮れ。
「……なんで?」
私は彼にそれだけしか言えなかった。
もっとたくさんいいたいこともあったけど
全部なんかいえるわけなかった。この状況で。
彼はうつむいていた。
ベンチに座る私たちの距離は遠かった。
隣にいるのに、遠かった。
「ただ、もうシホとはやってけないなって。俺は付き合った人とは結婚とか将来も考えちゃうからさ。」
彼はそう言って夕日をみつめた。
私はその横顔を見つめることしかできなかった。