【コラボ】パラレル・ラブストーリー


……なんで俺は怒られているんだろう。


瑛は腑に落ちない気持ちでいっぱいだった。



「先輩は人の気持ちに鈍感すぎますっ!」


「……すまん」


「まりあに、状況を説明しに行ってください!!」


「なんで?」


「だから……っ!!」



目の前の後輩は、小動物のようにぷるぷる震えている。


真っ赤な顔で、涙をためて。


可愛らしい……もっといじめたい。


そんな気持ちもあるのだが、瑛はもう一つのことが気になっていた。


視界の端に入った、あの細い手首のこと。


どうして、安城と坂下は手をつないでいたのだろう。子供でもあるまいし。


どうして、安城は逃げてしまったのだろう。


そもそも、何をしにきたのだろう。



「……理解不能だ」


「あたしには、先輩の方が理解不能ですっ!!」


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