【コラボ】パラレル・ラブストーリー


岡崎先輩が一人でいたら、聞こうと思っていた。


冬休み、会える日はないかと。


瑛は受験生、時間がないのはわかっている。


でも、まりあにも時間がないのだ。


ひそかに瑛に想いを寄せてきたまりあは、瑛の卒業までになんとか、自分の想いを告げたいと考えていた。


一度でいいから、学校の外で会いたい。


そんな夢を描いていたのだが……。


坂下龍真は、決して悪い人間じゃない。


無口で無愛想に見えるが、本当は優しい。


そして、同じ役員であり、まりあの親友でもある鬼頭神無には、特別優しい。


きっと龍真は、自分と同じような思いで神無をここへ呼び出したんだろう。


ならば、自分はまたの機会にがんばろうか。


龍真と神無は大好きだけれど、二人の前で瑛をデートに誘えるほど、まりあは大胆ではなかった。


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