運命鑑定


―――



「セ...ンパイッ!!」



やっとのことで、待ち合わせ場所に着いた時間は10時20分。


センパイとの初デートでの20分の遅れに涙目になったあたしは駆け足で、センパイのところに近寄る。



「ごめん!! 遅れちゃった!!」

「いーよ♪ 俺も今来たところだし」



なんて、ベタな恋愛マンガでありそうな会話は1つもなくて...かわりにあったのはセンパイの不機嫌そうな顔。



「すいません...。 寝坊しちゃって...」



今日のセンパイはメガネをはずしていたけれど、それ以前に初めてみる不機嫌な顔に戸惑っていた。



あたしがセンパイの前まで行くと、センパイはあたしの腕を掴んで、ずんずんと歩き出してしまった。

< 49 / 205 >

この作品をシェア

pagetop