運命鑑定



―――


「もう、こんな時間かー」



大きな時計台を見てセンパイは呟いた。

時計の針は7時を差しているが、夏だからか周りはあまり暗くない。


あたしはこのまま今日が終わらなければいいのに、と思った。


そして、1つ溜め息をついた。



「帰ろっか」



センパイが言った言葉にこくりと首を縦に振る。



家からさほど遠くないこの公園に徒歩で来たあたしは、帰りも徒歩だった。


でも、行きと違うのは、隣にセンパイがいること。



あたしは、1歩踏み出すごとに家に近付いていく、この感覚が嫌になった。



2回目の溜め息をついた。









< 88 / 205 >

この作品をシェア

pagetop