運命鑑定



でも、そんなあたしを、センパイの発する言葉が現実に引き戻す。



「家、着いちゃったね」



あたしは名残惜しい気持ちを抱えたまま、繋いでいた手を離した。




「...今日は、楽しかったです。

...ありがとうございました」




いきなり改まって言ったあたしに、センパイはびっくりしながらも、目尻を下げて笑った。



「俺も楽しかったよ」



そして、いきなり真剣な顔になり、あたしの目を真っ直ぐに見て言った。



「好きだ...」



あたしは3回目の溜め息をついた。


それを合図とするように、センパイの言葉を遮る形で、告げた。















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