カタナ

「広川君ッ。」

「ん?」

「か、和さんって・・・。」

和昌のこと?


でも、さすがにその言葉の続きは聞けなかった。

だって、知り合いって思われたくないじゃん。

「あー、えっとね・・・。」

そこまで言った時だ。

「穂。やめとけ。隆哉のことも考えろ。」

そう、広川の隣のツンツンこと立石が言う。

さすがに二人に注意されると彼もやめた。

「詩月ちゃん、ごめんね。個人情報ってことで勘弁して。」




くそっ。

上眼づかいで両手合せやがって。

許してやるほかないだろう。


広川とあたしって、性別逆転してんなぁ。
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