《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
俺はクローゼットからクリーニングのビニールの被ったスーツを出した。



「和也…?」


「昨日、忙しくてメール出来ず、ゴメン…」


「早いのね・・・まだ、5時半だよっ!?」


「一度、出社して車取りに行くから…社長、自宅には帰らず、東京ベイのドラゴンホテルに宿泊したんだ」



「へぇ~っ」
桃は欠伸をしながら、身体を起こした。



何も変わらない桃の態度。


「秘書ってやっぱり、大変だね」


桃は俺に笑顔で話しかけてくる。
俺は今にも、桃に濱部社長とのコトを咎めそうだった。


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