《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「さあ~っ。どーぞ。姫宮様。俺を好きにしてくれ」


智成さんの言葉の端々には意地悪な所作が垣間見える。



「俺を独占したいんだろ?だったら、俺にお前を刻んでみろ…」


「そう言われても…どうしていいのか?」
急に身体を預けられて、下僕のように好きにしろと言われても。
私には何も出来なかった。

いつまでも、この乗り掛かったカッコでいるのは恥ずかしくて耐えられない。


「私には出来ません…」
私は目尻に涙を浮かべて、訴える。

「…何も出来ないのに…嫉妬は一人前だな」

「ゴメンなさい」

「何も分からないなら教えてやる…ここを触ればほとんどの男は嬉しがる」


「!!?」


私の右手を掴んで、ベルトのバックルへと持っていく。


「そこじゃない…もっと下だ」

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