《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
* * *

今夜の食卓は濱部社長の話一色に染まった。


「あの人…絶対カッコいい!!男性の俺から見てもそう思うんだ。絶対、モテるよなっ」


「でも、既婚者でしょ?」


「桃はどう思った?」

他の男はすべて、排除しちゃうのに。
濱部社長だけは特別だった。


「私は別に…カッコいいとは思ったけど」


「だろっ?ウチの社長…少し落ち着きが無いから…」
自社の社長を貶したら、ダメだって怒られたのを思い出して、俺は口を噤んだ。


「和也?」


「俺もあんな風に堂々と出来たら…」
自分の不器用さが歯痒かった。






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