《BL》ボーイズ・クリスマス

唇を離した瞬間、健太郎が一瞬にやりとした気がした。

いくらでも避けることはできた。

押しのけることだってできた。

なのに、なぜ俺は拒まなかったのか。

受け入れてしまったのか。

寂しさのあまり、とうとうイカれてしまったか。

温もりのあるものなら、なんでもよくなってしまったのか。

「はあ……」

盛大なため息をつかずにはいられなかった。

とりあえず落ち着け、俺。

「なんか、甘いもん食いたくね?」

人の気も知らず、奴は何事もなかったようにそんなことを言い出すので、思考が追い付かず、無性に胸をかきむしりたい衝動に駆られた。

「はぁ?」

「アイスがいい」

「んなもん、ない」

「えー」

「真冬だぞ」

「コタツで食うアイスがサイコーなんだよ」

「そういう贅沢は俺はどうも好かん」

そう言うと、健太郎はチェッとふてくされた。

「……じゃ、しょうがねぇな」

ん?と思ったのもつかの間、奴は俺の頭の後ろに手をまわし、鼻先がつきそうな距離で。

「もっと甘いのいただくわ」

そう言って、強引に乱暴に俺の唇を奪ってしまった。

ちょ、ちょっと待て!!

そう心の中で叫ぶもがっちり押さえられて身動きもできず。

口内を熱で侵されていくうちに。



俺は、完全に。

奴に堕ちた―――。






fin



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