曖昧ショコラ【短】
情事を思わせる文章で幕を閉じた、物語。


視界に入って来る表紙は、さっきと変わらないのに…


読み始める前とは打って変わって、あたしの心の中の大半を戸惑いが占めている。


ある意味、興奮に近い物を抱いて大きく鳴る心臓。


最初の一口以降、一度も口を付ける事が出来なったコーヒー。


今まで何冊もの書籍を読了して来たけど、こんなにも戸惑ったまま読後を迎えるのは初めての事…。


【失恋ショコラ】を前に、ただただ呆然としているだけ。


しばらくして、とにかく頭の中を整理しようと手にしたマグカップは冷たく、コーヒーはすっかり冷め切っていた。


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