曖昧ショコラ【短】
何と言う事だろう。


篠原は自分(アタシ)が気付くよりも遥かに前から、あたしの想いに気付いていたのだ。


彼の言う通り、あたしの鈍さとバカさは本当にギネス級なのかもしれない。


「ちょっ……!何してるんですか!」


気が付くと、篠原によってコートとスーツの上着を開かれ、既にシャツのボタンが外されている所だった。


「どうせ、お前と話してても埒(ラチ)が明かねぇんだ」


「……っ」


篠原の手がシャツの下から這い上がって来る感覚に体を震わせると、彼が妖艶さを孕んだ瞳を緩めて満足げな笑みを零す。


「とりあえず抱かせろよ」


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