わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
弐肆
そのとき…

(おれは、負けない)

わたしの心に声が響いた。

わたしの影の手が伸びる。
ナイフを振り払う。

それから…

彼に向かって黒い影が飛んでいき、

彼の体を、すっぽりと包み込んだ。

黒いかたまりの中で…

彼の体がもがいている。

だけど…

出ることはできない様子。

わたしはその光景を呆然と…

ただ見ているしかなかった。
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