わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
「ま、上がりなよ。まだ誰も帰ってこない時間だしな」

自分の家みたいにやつは言う。

やっぱり、彼なんだ。

わたしの家のことを知ってる。

たしかに今日は、両親とも帰りが遅い。

「ここもたしか、6階だったよな?」

何が言いたいかすぐに悟った。


…次は、飛び降り自殺か。

「さっきで慣れただろ」

わたしは答えないで

自分の部屋に向かう。

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