わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
わたしは影に操られないで…

自分の意志で道路に飛び出す。

「やった、おれの勝ちだな」

彼の声がした。

勝ち??

わたしは、負けたの?

何に?

トラックがすぐ前に近づく。

クラクションの音が耳を突き刺す。

そのとき、また暖かい風が吹いて…

わたしの体を押し返した。

「やめろっ!」

叫び声がわたしの耳に届いた。
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