わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
拾玖
さらに…

わたしの耳に彼の声が心に届いた。

「いつも、そばにいる。愛するひとのそばにいて、その人生を見守るんだから…おれはこれからも幸せなんだからな」

夕日が消え、影が消えていく。

同時に声も止まった。

あなただけ言いたいこと言って…

消えるなんて、あなたも自分勝手だよ。

わたしはひとり立ったまま。

でも、背中から温もりを感じた。

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